ライナーで力強く飛ぶ
衝撃的なFWだった

自身がツアーへ出場するようになったころ、
ロイコレのFWと出合い“相棒”になった。
ロイコレのクラブを見続けてきた横田英治プロが、
その変遷をフラッシュバックしつつ魅力を述べる。

他の追随を許さない強い球が打てるFW

ロイコレのブレイクは90年代の半ばに遡る。95年に“キャビティソール”を備えた「スーパーCV T.R.C」が、アマチュア最高峰の競技「日本アマ」で圧倒的な使用率をマーク。90年代の後半に男子ツアーのサポートを始めてからは“3人に1人はロイコレのFWを使っている”と言われるほど、数多くのツアープロから高く評価された。「ロイコレというと『スーパーCV B.B.D』や『同Type-H』を抜きには語れません。当時の男子ツアーでは、ホントにたくさんのプロがロイコレのFWを使いました。

おそらく『Type- H』は歴代のロイコレの中で、日本の( 男子)ツアーで最も使われたFWだし、最も売れたFWじゃないでしょうか。ボクがロイコレのFWを使い始めたのは25年くらい前ですが、断トツで良かったんです。正直なところ、あのころは“使えるFW”が他にあんまりなかったし、対抗馬がなかった。
当時はシャローバックのヘッドばかりで、ロイコレみたいなディープバックのモデルがありませんでした。だから、ライナー系の強い球で前に飛ぶんです。それにしても“キャビティソール”を初めて見たときは『なんだろう、コレ!?』って(笑)。画期的でしたね」
(横田プロ、以下同)
2000年から数年、ロイコレのFWは日本の男子ツアーで使用率1位になり、07年には国内男子メジャーの全てでFWの使用率1位になる。一方で、01年に海外のメジャーホルダーと契約すると、ロイコレの名は世界に轟く。00年代には、ロイコレのFWやUTを使う海外のプロがメジャーチャンピオンになった。「『CV PRO』というFWも飛んだし、プロが使いました。
それでも当初のFWはツアープロが好むクラブだったので、アマチュアにはハードだったでしょう。
幅広い人に使ってもらうために『B.B.D Type-HⅡ』『BBD´s 304F』『RC☆ fd』など、やさしいモデルもできました」では、多くのクラブを見続けてきた横田プロにとって“ロイコレらしさ”とは?

「ロイコレのクラブは尖ってていいと思うんです。今は、やさしく打てる『AM- X』がある一方で、『TM-X』のようにアマチュアが『このスプーンを打てるようになりたい、練習したい』と憧れるようなモデルがあっていいはず。いい意味で“媚びない感じ”も忘れてほしくありません。そして多くのユーザーを魅了してきた、いい顔といい打音という“ 変わらない良さ”を持ち続けてもらいたいですね。そのために、僕はいつも細かい注文をつけたいし、ヘッド開発に文句を言いたいんです(笑)」